07264 シフトクロップする前提で撮影する集合写真でSIGMA fp Lの6,100万画素が生きる
No. 07264, by shio / 塩澤一洋 https://flic.kr/p/2qanKB4 https://live.staticflickr.com/65535/53927347477_14f52edcbb_3k.jpg
撮影した画像を片方の端に寄せて(シフトして)使うことを予定して撮影する技法、「シフトクロップ」。シフトレンズを使わずに同じ効果を得ようという趣向です。 もともとshio.iconは「擬似シフト」と呼んでいました。2014年、当時のGRがファームウェア ver. 4.00でシフトクロップ機能を搭載したため、以後はその呼称を用いております。 画素数が多いと解像度が高い写真を撮影できる。集合写真は多数の顔が並ぶので、一人一人をきちんと写すためには、できるだけ画素数が多いカメラで撮影する方がいい。
高画素数の使い道は他にもある。作画の自由度とクオリティを上げるため。その一つがシフトクロップ。 例えば画像の面積から2/3のみを最終的な作品として使う場合、1,200万画素のカメラだと800万画素、3,000万画素のカメラだと2,000万画素の写真になる。6,100万画素のカメラだと4,066万画素あり、高画素数が有利です。
本日撮影して掲載した写真1枚目〈↑〉は2枚目〈↓〉の写真から下辺に寄せてクロップ(切り出し)したもの。切り出してもなお4,530万画素ありますので画素数十分。実際、拡大して観察しても、一人一人の顔がはっきり写っています。
撮影時に、こういったクロッピングを後から施すことを予定して撮影しました。それはなぜか。
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この写真の撮影時、カメラを据えた三脚とshio.iconは、プールの底に沈めて使う赤い台に乗っています。少し上から撮影した方が、後列の学生たちの顔が隠れずに写せるからです。もし台がなければ三脚を最高位置まで伸ばします。
この場合、学生たちを見下ろす位置にカメラがあるので、カメラを少し下に向けて撮影するのが一般的でしょう。しかしそのようにカメラを傾けると、被写体の垂線が斜めに歪みます。この写真では背景にあるネットを立てているポールや家屋が上に行くほど広がり、下に行くほど窄まって写ることになります。学生たちの顔や体も歪みます。
そのような歪曲を避けるためにはカメラを垂直に据えればOK。カメラを垂直に構えれば、垂線がすべて垂直に写りますし、被写体が歪まず、端正に写ります。
カメラを垂直に据えると人間が写真の下部に写り、上部には大きな空間ができます。それでいいのです。あとからMacで下の方を切り抜く(クロップする)のです。
カメラを垂直に据える
全員がフレイムに収まるフレイミングにする。そのためには(超)広角レンズが必要。
撮影する
Macの「写真」アプリに読み込む
縦横比は2:3のまま、上辺を下に下げてゆく
左右の幅が狭くなっていくので集合している人の左右に適度な余白ができる位置でストップ
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同じように3枚目の写真〈↑〉から下辺に寄せて切り出したのが4枚目〈↓〉。
この場合、クロップすることで上部に残っている青空の多くが切り取られています。元のままでも良いかもしれません。撮影している状況が完全に逆光なため、青空がギリギリ残り、学生たちの顔がギリギリ判別できる程度に暗い露出で撮影し、Macで明るさを調整しています。それも撮影時に予定している調整です。学生たちを適正露出で撮影したら青空がすべて白く飛ぶし、青空を適正露出で撮影したら学生たちの顔が暗すぎるので、両方が写るギリギリを狙って露出を決めて撮影するのです。
シフトクロップするために画素数の多いカメラを使う。
画素数が多い方がいいのかどうか、よく議論になります。シフトクロップのような技法を使う自由度が上がる点に鑑みれば、センサーの画素数が多い方が良いのは明らかです。
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